歯科医師の僕が入団した理由
更新日:2020年12月5日
ブログリレー 第3回
日本マラウイ学生団体に入団した理由
僕は日本マラウイ学生団体6期生で、現在は筑波大学人間総合科学研究群の博士課程に通っています。
簡単ではございますが、歯科医師としての国際協力の経験と、本団体への入団のきっかけについてお話ししたいと思います。
突然ですが、皆さんはどうして歯を磨いているのか考えたことはありますか?
小さい頃に「虫歯になっちゃうから磨きなさい!」とお母さんに怒られて嫌々磨いてた記憶は誰にでもありますよね。
好きで自分から歯磨きするなんて子がいたらそれは変わり者でしょう。医学的に歯ブラシの効果がどうであれ、物心が付く頃にはご飯を食べたら歯を磨かなければ罪悪感を抱いてしまうよう教育され洗脳されている訳ですね。
ですが今や歯科疾患は生活習慣病で予防できる病気と広く認知される様になってきた一方で、歯磨きの必要性を感じず歯科疾患に罹患し苦しむ人は多く、その健康格差は顕著に現れています。
日本の統計ですが、虫歯の数は親の学歴と収入と大きく相関関係があるとも言われています。
話を国際協力に戻しましょう。
僕は学部学生(筑波では学群生)の時にスリランカやバングラデシュ、フィリピンなどで国際歯科保健活動をしてきました。
JICAを通じ、また現地の歯科医師と協力して、歯科医療に恵まれない地域に出向いて、歯ブラシをどう使うのか、虫歯ってどうしてできるのかなどを丁寧に教えていきます。
また歯科医療が ”必要のなかった” 地域に虫歯を持つ人たちが増えてしまった背景には、その後進国の経済発展により、欧米の砂糖文化(炭酸飲料やスナック菓子など)が急速に入ってきたことが原因の一つと言われています。
これは戦後日本が歩んできた虫歯の洪水の時代に似たものなのです。
医療格差の大きい地域において、日本では当たり前の歯磨きを習慣化しそれを根付かせるのは、簡単そうに思えて一筋縄ではいかないものです。
国際公衆衛生、国際保健活動は、その人の生活を、考えを、文化を、宗教を学び理解すること、つまり医学はもちろん社会学を研究することに他なりません。
国こそ変わりますが、日本マラウイ学生団体には様々な専門性を勉強している学生が所属しています。
アフリカの歯科医療はもちろんですが、団員との関わりによってマラウイについて自分にない視点から感じることが出来るのではないか、それが自分の視野を広げ、掛け算の学びが出来るのではないかと考え入団いたしました。
国際協力の面白いところは、言語、文化、宗教、といった多様性と触れ合うことにより、相手だけではなく自分自身に対しても価値連鎖が生まれる部分にあると思います。
少しでも興味を持ったならば、国際貢献への一歩を後押しするのはきっと未来の自分。
その勇気を精一杯応援させていただきます!
ではまた。
6期生 博士課程 だい
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